妻と人でなし
学生時代、妻の友人達は福祉やボランティア活動に熱心な子達がたくさんいて、町内会のお祭りの手伝いをしたり、老人ホームに慰問へ行ったりしていた。
妻は心理学を専攻しており、施設のソーシャルワークなどに興味があった。
そして、子供も好きだった。
ある日、それを承知している友人が妻をボランティアに誘った。
友人「今度の土日にさ、某所の子ども会でお祭りがあるんだ。私炊き出しの手伝いするんだけど、ともも行かない?」
妻「ボランティア…」
友人「結構楽しいよ。私前も行ったんだけど、子供も大人もたくさん来るし…」
妻「…私さ」
妻「ボランティアって、世界で一番自分に関わりない言葉だと思ってるんだ」
友人「Σえ」
友人「なんで?とも子供とか好きじゃん。行ったら絶対楽しいって…」
妻「子供は好き。カウンセラーとかにもすごい興味はある。でもボランティアって無賃でしょ?土日って言ったらさ、特に稼ぎ時なわけよ。ちなみに来週の土曜日は午前中に食堂、午後は薬局、夜は塾の講師が入ってるのね。」
友人「…」
妻「ボランティアする人たちってさ、本当に偉いと思うよ私。だって私絶対できないと思うもん。働くのにお金が出ないんだよ?」
妻「私、金銭の発生しない労働はしない主義だからね」
きっぱりと言い切る妻を呆然と見つめながら、ああ、そういえばこの女、貯金が趣味だったな、と、友人はぼんやりと思い出していた。
参加してます。



妻は心理学を専攻しており、施設のソーシャルワークなどに興味があった。
そして、子供も好きだった。
ある日、それを承知している友人が妻をボランティアに誘った。
友人「今度の土日にさ、某所の子ども会でお祭りがあるんだ。私炊き出しの手伝いするんだけど、ともも行かない?」
妻「ボランティア…」
友人「結構楽しいよ。私前も行ったんだけど、子供も大人もたくさん来るし…」
妻「…私さ」
妻「ボランティアって、世界で一番自分に関わりない言葉だと思ってるんだ」
友人「Σえ」
友人「なんで?とも子供とか好きじゃん。行ったら絶対楽しいって…」
妻「子供は好き。カウンセラーとかにもすごい興味はある。でもボランティアって無賃でしょ?土日って言ったらさ、特に稼ぎ時なわけよ。ちなみに来週の土曜日は午前中に食堂、午後は薬局、夜は塾の講師が入ってるのね。」
友人「…」
妻「ボランティアする人たちってさ、本当に偉いと思うよ私。だって私絶対できないと思うもん。働くのにお金が出ないんだよ?」
妻「私、金銭の発生しない労働はしない主義だからね」
きっぱりと言い切る妻を呆然と見つめながら、ああ、そういえばこの女、貯金が趣味だったな、と、友人はぼんやりと思い出していた。
参加してます。

妻の愛するもの
結婚してから毎日、妻は夫にお弁当を作っている。
それは妻が体調不良だったり、不在だったとき以外かかされたことはない。
夫は、結婚前から妻に社内食堂のまずさを語っていたので、毎日用意されるお弁当を妻の愛だと信じていた。
ある日、妻の友人が自宅に遊びに来た。
夫は息子のめんどうを見ながらその会話を聞いていた。
友人A「結婚って大変そうだねー。」
妻「なかなか楽しいよ。」
友人A「毎日料理とかするんでしょ。私無理だなー。」
妻「できるよ。私だってしてるんだから。」
友人A「お弁当作ってるんでしょ?」
妻「うん。」
友人A「すごいよー。愛妻弁当じゃん。大変でしょう。」
夫は友人の言葉に心で頷いた。
息子の世話をしながらのお弁当作りは毎日大変だろうに、妻は本当にがんばってくれている。
自分のために。
妻「大変だけどさ‥それよりも」
妻「私はお金が好きなんだ。」
夫「‥‥Σ」
妻「お弁当作らなかったら食費かかるじゃん。私は自分の苦労とか手間より何よりお金の方が大切だから。お弁当作るからこそ、旦那へのおこづかいも最小限に抑えられるわけよ。」
夫「‥‥‥‥」
友人A「ねー。うん。ともらしいね。」
妻「お金のためなら労は厭わないわ。」
友人A「すごいねー。やっぱり私結婚とか無理かも。」
妻「できるよ。」
友人A「でも私、ともぐらいにお金愛せてないと思うし。」
妻「うーん。私くらい愛する必要はないと思うけど、大事だよね。愛は」
友人A「愛ねー。」
少し抜け殻になりながら、そこで語る愛は何か間違っていると思う夫だった。
参加してます。



それは妻が体調不良だったり、不在だったとき以外かかされたことはない。
夫は、結婚前から妻に社内食堂のまずさを語っていたので、毎日用意されるお弁当を妻の愛だと信じていた。
ある日、妻の友人が自宅に遊びに来た。
夫は息子のめんどうを見ながらその会話を聞いていた。
友人A「結婚って大変そうだねー。」
妻「なかなか楽しいよ。」
友人A「毎日料理とかするんでしょ。私無理だなー。」
妻「できるよ。私だってしてるんだから。」
友人A「お弁当作ってるんでしょ?」
妻「うん。」
友人A「すごいよー。愛妻弁当じゃん。大変でしょう。」
夫は友人の言葉に心で頷いた。
息子の世話をしながらのお弁当作りは毎日大変だろうに、妻は本当にがんばってくれている。
自分のために。
妻「大変だけどさ‥それよりも」
妻「私はお金が好きなんだ。」
夫「‥‥Σ」
妻「お弁当作らなかったら食費かかるじゃん。私は自分の苦労とか手間より何よりお金の方が大切だから。お弁当作るからこそ、旦那へのおこづかいも最小限に抑えられるわけよ。」
夫「‥‥‥‥」
友人A「ねー。うん。ともらしいね。」
妻「お金のためなら労は厭わないわ。」
友人A「すごいねー。やっぱり私結婚とか無理かも。」
妻「できるよ。」
友人A「でも私、ともぐらいにお金愛せてないと思うし。」
妻「うーん。私くらい愛する必要はないと思うけど、大事だよね。愛は」
友人A「愛ねー。」
少し抜け殻になりながら、そこで語る愛は何か間違っていると思う夫だった。
参加してます。

妻の主張

妻は決して認めようとしないが、夫は妻のことをかなりのドジだと思っている。
細かいことは今省くが、妻があまりにドジなので、妻が出かけるとき、夫は常に妻が事故に遭ったり、転んだりしていないか心配している。
そう、妻はよく転ぶのだ。
その足下に何もなくても、その足下が平らな道だったとしても…。
(何もない道で妻つまずく)
夫「ほら!!もー!また転んだ!」
妻「転んでないよ!つまずいたんだよ!!」
夫「一緒だよ」
妻「一緒じゃないよ!転ぶ界ではねー、つまずくと転ぶには大きな隔たりがあるんだよ!」
夫「転ぶ界って」
妻「私はねー、ここ最近つまずくことはたくさんあっても、実際に転んだことはほとんどないんだからね。そこんとこはき違えないで欲しいわ。」
夫「一緒だよ…」
数日後
夫「ただいまー」
妻「おかえりなさいー。ねえ、今日転んだ。」
夫「また?どこで。」
妻「また、じゃないよ久しぶりだよ」
夫「いいよどうでも。どこで。」
妻「…畳」
夫「家?」
妻「違うんだよ、お布団を干したの。ひよこの。で、取り込んで、シーツかけて。右側のシーツの端を整えて、左側のシーツも整えようと思って、ね。布団を飛び越えようってジャンプ、したら、靴下が、畳で滑って…」
夫「あぶないなー、ひよこは」
妻「そばにいた。私が転ぶのを見て笑ってた。」
夫「ひよこにぶつかったらどうするの。本当に…ともは怖いよ。」
妻「でもね、違うの。聞いて。今回はちゃんと理由があって転んだんだから、正しい転倒なんだよ。」
夫「正しい転倒?」
妻「正当な転倒だよ。だから大丈夫なの。」
夫「転ぶのに正しいとか間違いとかないから。」
妻「何言ってるの?」
妻「理由なき転倒と、理由あり転倒を一緒にしないで!!」
夫「逆ギレ?!」
夫「理由なき転倒とか言ってさー、格好良いみたいな名前つけてもさー…結局転ぶことに変わりないじゃん…」
妻「全然違う。今回は理由があったの、転ぶ界ではかなり上のランクの転び方だよ。だから私は悪くないの。」
夫「…また転ぶ界」
自分は悪くない、転ぶ界において今回は不当な転び方はしていないと主張を続ける妻を見ながら、そんな世界は理解したくもないと思う夫であった。
参加してます。

風邪と妻

誰でもそうだが、妻は風邪を引くのが嫌いだ。
嫌いと言うか、風邪に屈して身動きが取れなくなるのがイヤなのだ。
なので、風邪を引いてしまった事実を極力受け入れないで日常を過ごそうとする。
そして悪化する。
年末のこの時期。妻が風邪を引いた。
夫「ともは風邪引いてるんだから休んでな、大掃除は俺がするから。」
妻(間髪いれず)「やだ!」
夫「寝てなさい。そんなガラガラ声して」
妻「だって熱ないもん。元気だもん。お掃除する!」
夫「ダメ!」
妻「やだ!!」
夫「寝てろ!!!」
妻「…」
妻「じゃあ、買い物に行ってくる。薬局行かないといけないし。」
夫「ダメ!」
妻「ほこりまみれの部屋に寝てたって治らないよ。外で買い物してたほうが有意義だよ。」
夫「うーん。でも寒いし、ダメ!」
妻「絶対行く!」
夫「俺が後で行くよ。」
妻「やだ!!」
夫「ダメ!そもそもさしあたって必要なものとかないでしょ!」
妻「今薬局ポイント10倍なんだよ!!!」
お得がかかったら妻には敵わない。
電車で二駅の町まで妻は息子を抱いて出かけていった。
数時間後
家の電話が鳴る
妻「…助けて」
妻はその夜9度の熱を出した。
それでも妻は治ったと言っては動きたがった。
ごねる妻をベッドに押し戻し、看病しながら、夫は馬鹿につける薬はないと思った。






