風邪と妻

誰でもそうだが、妻は風邪を引くのが嫌いだ。
嫌いと言うか、風邪に屈して身動きが取れなくなるのがイヤなのだ。
なので、風邪を引いてしまった事実を極力受け入れないで日常を過ごそうとする。
そして悪化する。
年末のこの時期。妻が風邪を引いた。
夫「ともは風邪引いてるんだから休んでな、大掃除は俺がするから。」
妻(間髪いれず)「やだ!」
夫「寝てなさい。そんなガラガラ声して」
妻「だって熱ないもん。元気だもん。お掃除する!」
夫「ダメ!」
妻「やだ!!」
夫「寝てろ!!!」
妻「…」
妻「じゃあ、買い物に行ってくる。薬局行かないといけないし。」
夫「ダメ!」
妻「ほこりまみれの部屋に寝てたって治らないよ。外で買い物してたほうが有意義だよ。」
夫「うーん。でも寒いし、ダメ!」
妻「絶対行く!」
夫「俺が後で行くよ。」
妻「やだ!!」
夫「ダメ!そもそもさしあたって必要なものとかないでしょ!」
妻「今薬局ポイント10倍なんだよ!!!」
お得がかかったら妻には敵わない。
電車で二駅の町まで妻は息子を抱いて出かけていった。
数時間後
家の電話が鳴る
妻「…助けて」
妻はその夜9度の熱を出した。
それでも妻は治ったと言っては動きたがった。
ごねる妻をベッドに押し戻し、看病しながら、夫は馬鹿につける薬はないと思った。
息子愛

妻は一人息子のひよこを溺愛している。
ひよこは世界一、いや宇宙一可愛いと言ってはばからない。
こんなに可愛くてどうしようかと本気で悩んでいる。
妻「ひよこって本当にかわいいよねー」
夫「まあね。」
妻「あの子の可愛さは世界を救うと思うんだよね。」
夫「…。」
妻「私さー、ひよこのことものすごい愛してるの。」
夫「うん」
妻「どれくらい愛してるかと言うとね」
妻「親権は渡さないってくらい」
夫「し、親権…!?」
妻「どんなことをしてでも…」
夫「どんなことを…」
妻「あ、でも時々は会わせてあげるよ、やっぱり父親って子供には大切だと思うから。」
夫「…うん。ありがとう。」
妻「あ、でも一人っ子だとやっぱりかわいそうだから、きょうだいを作ってからかな、離婚は。」
夫「離婚前提!?」
妻「それくらいひよこを愛してるってことだよ。」
夫「……………………。」
別の形で愛情表現してほしいと思う夫であった。
夫の逆襲
妻はある日自分の行いについて反省した。
こんなに自分勝手では、いつか夫に嫌われてしまうと考えた。
夫に自分の悪いところを言ってもらい、治せるところは治そうと、しおらしい気持ちになった。
妻「私の嫌いなところってある?」
夫「メダルゲーやらせてくれないところとー、アニメを見せてくれないところとー」
妻「(無視)我慢できないところとか、あったら言って!私治すから!」
夫「えー別に」
妻「いいから早く、60個くらい言えよ!!」
夫「えー。」
妻「顔とかー。」
夫「じゃあ、顔。」
妻「髪型とかー。」
夫「じゃあ、髪型。」
妻「化粧とかー。」
夫「化粧は別にいいや。」
妻「…」
妻「Σ顔と髪型は本音!?」
夫「えーと、あとねー」
妻「顔と髪は本気なのねーーー!!」
夫「(無視)あとねー・・・。」

その日、夫の口からフォローと否定の言葉がでることはなかった。
こんなに自分勝手では、いつか夫に嫌われてしまうと考えた。
夫に自分の悪いところを言ってもらい、治せるところは治そうと、しおらしい気持ちになった。
妻「私の嫌いなところってある?」
夫「メダルゲーやらせてくれないところとー、アニメを見せてくれないところとー」
妻「(無視)我慢できないところとか、あったら言って!私治すから!」
夫「えー別に」
妻「いいから早く、60個くらい言えよ!!」
夫「えー。」
妻「顔とかー。」
夫「じゃあ、顔。」
妻「髪型とかー。」
夫「じゃあ、髪型。」
妻「化粧とかー。」
夫「化粧は別にいいや。」
妻「…」
妻「Σ顔と髪型は本音!?」
夫「えーと、あとねー」
妻「顔と髪は本気なのねーーー!!」
夫「(無視)あとねー・・・。」

その日、夫の口からフォローと否定の言葉がでることはなかった。
愛を語れ!
信じてもらえないかもしれないが
妻は基本的に自分に自信がない。
そして定期的に情緒不安定になるときがある。
そんな時は夫から愛を確認し、安心したいと思う。
そして今日も‥
妻「私のこと好き?」
夫「好きだよ」
妻「どれくらい?」
夫「一億九千六百万光年の‥」
妻「あー、はいはい。じゃあね、どこが好き?」
夫「えー」
妻「いいじゃん、教えてよー」
夫「えー」
妻「早くー。」
夫「えー」
妻「愛語ってよー」
夫「えーー」
妻「愛語れよ!!」
夫「えーー、えーーとね、ともはね、料理とか作ってくれる。」
妻「普通じゃん」
夫「でね、お弁当とか作ってくれるし。それから‥」
妻「くだらないこと言ってんじゃないわよ!」
夫「えぇーーーーーー!!」
妻「眠い。寝る。」

やりとりに飽きた妻は夫に背を向けてさっさと眠りに入った。
夫はむなしくも妻の方に手を伸ばしたが、
振り払われた。
愛を確認したいのは夫の方であった。
妻は基本的に自分に自信がない。
そして定期的に情緒不安定になるときがある。
そんな時は夫から愛を確認し、安心したいと思う。
そして今日も‥
妻「私のこと好き?」
夫「好きだよ」
妻「どれくらい?」
夫「一億九千六百万光年の‥」
妻「あー、はいはい。じゃあね、どこが好き?」
夫「えー」
妻「いいじゃん、教えてよー」
夫「えー」
妻「早くー。」
夫「えー」
妻「愛語ってよー」
夫「えーー」
妻「愛語れよ!!」
夫「えーー、えーーとね、ともはね、料理とか作ってくれる。」
妻「普通じゃん」
夫「でね、お弁当とか作ってくれるし。それから‥」
妻「くだらないこと言ってんじゃないわよ!」
夫「えぇーーーーーー!!」
妻「眠い。寝る。」

やりとりに飽きた妻は夫に背を向けてさっさと眠りに入った。
夫はむなしくも妻の方に手を伸ばしたが、
振り払われた。
愛を確認したいのは夫の方であった。
要求
妻は眠る前、よく夫に「何かお話して」とせがむ。
もともと口下手で、聞き役の夫はそれがとても困る。
しかし妻はお話をしてくれるまで寝かせてくれない。
そして夫は結婚前からの約2年半で、自分が生まれてから結婚にいたるまでの人生のほとんどを振り返り、ネタを見つけては妻に提供し続けてきた。
そして今宵も…
妻「何かお話して」
夫「えー、もうネタないよ。」
妻「お話ーおはなしーーおーーはーーーなーーーーしーーーー!!」
夫「ナイ!」
妻「話せよ!!」
夫「はい。えーと、えーーーとね。あ。」
妻「何なに?」
夫「昔ね、チョコボールのおもちゃの缶詰をもらったの。その中にね、キョロちゃんのゼンマイ仕掛けの人形が入ってたの。ねじまくと、カタカタカタってキョロちゃんが動くやつ。」
妻「うんうん。」
夫「でね、勉強机にこう・・ものさしとかでコース作ったり、消しゴムとかで障害物作ったりして、そこをカタカタって走らせたりしてたわけさ。」

妻「暗っ!!!」
夫「…うん。寂しいよね。」
妻「まあいいや。いつ?」
夫「え?」
妻「いつ頃のお話?」
夫「……大学生」
妻「超最近じゃん!!!」
妻「暗!孤独!!」
夫「うん。寂しいね。俺かわいそうだね。」
妻「かわいそうだね」
夫「…」
妻「でも良かったね、そんなかわいそうなあなたもこんな可愛い奥さんと巡り会えたんだから。」
夫「…………………………………………うん。」
妻「ありがとうは?」
夫「…………………………………………………………………………ありがとう。」
妻は満足してさっさと眠りについた。
その寝顔を見ながら、
夫は、孤独じゃないのも考えものだと思った。
もともと口下手で、聞き役の夫はそれがとても困る。
しかし妻はお話をしてくれるまで寝かせてくれない。
そして夫は結婚前からの約2年半で、自分が生まれてから結婚にいたるまでの人生のほとんどを振り返り、ネタを見つけては妻に提供し続けてきた。
そして今宵も…
妻「何かお話して」
夫「えー、もうネタないよ。」
妻「お話ーおはなしーーおーーはーーーなーーーーしーーーー!!」
夫「ナイ!」
妻「話せよ!!」
夫「はい。えーと、えーーーとね。あ。」
妻「何なに?」
夫「昔ね、チョコボールのおもちゃの缶詰をもらったの。その中にね、キョロちゃんのゼンマイ仕掛けの人形が入ってたの。ねじまくと、カタカタカタってキョロちゃんが動くやつ。」
妻「うんうん。」
夫「でね、勉強机にこう・・ものさしとかでコース作ったり、消しゴムとかで障害物作ったりして、そこをカタカタって走らせたりしてたわけさ。」

妻「暗っ!!!」
夫「…うん。寂しいよね。」
妻「まあいいや。いつ?」
夫「え?」
妻「いつ頃のお話?」
夫「……大学生」
妻「超最近じゃん!!!」
妻「暗!孤独!!」
夫「うん。寂しいね。俺かわいそうだね。」
妻「かわいそうだね」
夫「…」
妻「でも良かったね、そんなかわいそうなあなたもこんな可愛い奥さんと巡り会えたんだから。」
夫「…………………………………………うん。」
妻「ありがとうは?」
夫「…………………………………………………………………………ありがとう。」
妻は満足してさっさと眠りについた。
その寝顔を見ながら、
夫は、孤独じゃないのも考えものだと思った。
はじまり

現妻と現夫が出会ったのは一昨年の春。
朴訥とした人柄と、人畜無害な外見に好感を持った現妻。
即アプローチ開始。
現妻「好きなんだけど」
現夫「とも(現妻)のことは好きだと思う、でもまだどれくらいの気持ちかわからない。つきあってやっぱりダメでしたってことが過去にもあったから、今つきあってそうなってしまうのは申し訳ない。どうしたらいいかわからない。」
現妻「好きだと思うならつきあってみればいいじゃん!」
現夫「えー」
現妻「試してみればいいじゃない!
つまんない男ね!!」
現夫「えーーーーー!!!」
そして一年半後
二人は結婚することになりました。
そんな押しの強い、身勝手わがままな妻『とも』と、押しに弱い、気配り屋の夫『とり』と、生後7ヶ月を迎えた愛息子『ひよこ』の日常をお届けしていきます。




