妻の主張

妻は決して認めようとしないが、夫は妻のことをかなりのドジだと思っている。
細かいことは今省くが、妻があまりにドジなので、妻が出かけるとき、夫は常に妻が事故に遭ったり、転んだりしていないか心配している。
そう、妻はよく転ぶのだ。
その足下に何もなくても、その足下が平らな道だったとしても…。
(何もない道で妻つまずく)
夫「ほら!!もー!また転んだ!」
妻「転んでないよ!つまずいたんだよ!!」
夫「一緒だよ」
妻「一緒じゃないよ!転ぶ界ではねー、つまずくと転ぶには大きな隔たりがあるんだよ!」
夫「転ぶ界って」
妻「私はねー、ここ最近つまずくことはたくさんあっても、実際に転んだことはほとんどないんだからね。そこんとこはき違えないで欲しいわ。」
夫「一緒だよ…」
数日後
夫「ただいまー」
妻「おかえりなさいー。ねえ、今日転んだ。」
夫「また?どこで。」
妻「また、じゃないよ久しぶりだよ」
夫「いいよどうでも。どこで。」
妻「…畳」
夫「家?」
妻「違うんだよ、お布団を干したの。ひよこの。で、取り込んで、シーツかけて。右側のシーツの端を整えて、左側のシーツも整えようと思って、ね。布団を飛び越えようってジャンプ、したら、靴下が、畳で滑って…」
夫「あぶないなー、ひよこは」
妻「そばにいた。私が転ぶのを見て笑ってた。」
夫「ひよこにぶつかったらどうするの。本当に…ともは怖いよ。」
妻「でもね、違うの。聞いて。今回はちゃんと理由があって転んだんだから、正しい転倒なんだよ。」
夫「正しい転倒?」
妻「正当な転倒だよ。だから大丈夫なの。」
夫「転ぶのに正しいとか間違いとかないから。」
妻「何言ってるの?」
妻「理由なき転倒と、理由あり転倒を一緒にしないで!!」
夫「逆ギレ?!」
夫「理由なき転倒とか言ってさー、格好良いみたいな名前つけてもさー…結局転ぶことに変わりないじゃん…」
妻「全然違う。今回は理由があったの、転ぶ界ではかなり上のランクの転び方だよ。だから私は悪くないの。」
夫「…また転ぶ界」
自分は悪くない、転ぶ界において今回は不当な転び方はしていないと主張を続ける妻を見ながら、そんな世界は理解したくもないと思う夫であった。
参加してます。

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